あの人と君の好きな唄
プロローグ
「待って!お願い!
私の何がいけなかったの?!
言ってよ!ねぇ!お願い!!!」
遠ざかっていく後ろ姿
私の声はまるで
聞こえないかのように…
私は走って追いかけるが、
脚が降り積もった雪のせいで
上手く動かせない…
「お願い…!待って…!最後に…」
彼は…
女の人が乗っている車に
乗り込み何処かへ行ってしまった…
私は泣き続けた…
永遠に降り続ける雪のように…
私は…ただただ泣き続けた…
< 1 / 22 >