明日、別れましょう
そこにはバターとはちみつを塗ったパンとベーコンの上に目玉焼きを焼いたもの。
ブロッコリーとニンジンはなんで添えてるか知らないけど、前訊いたときは「彩り」って言ってたっけ?
いただきます、と手を合わせると、藍羅がじっと俺を見てくる。
気づいてないふりをして目玉焼きの黄身を割った。
……半熟。
「ありがと、藍羅。俺、半熟好き」
「別にっ。知ってて半熟にしてんだからお礼とかいらないし!」
そう言った彼女は唇を尖らせて自分もパンをかじる。
けど、ちょっと嬉しそうな顔だった。