ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛



「な、何だよ…」

「……」



黙ったままただ静かに無表情でこちらを見下ろす彼。ましてやこの大きな背で見下ろされ、威圧感を感じないわけがなく…。



「…、わ、わかったよ!離せばいいんだろ!」



最初は威勢のよかった男性も、それ以上粘ることをやめ手を離すと、逃げるようにその場を去って行った。

二人きりとなったその場に、青井くんははぁ、と溜息をつく。



「…あ、青井くん…どうして?」

「偶然。速水さんと歩いてて」

「速水さんと…」



少しずつ状況を理解しながら青井くんがチラ、と視線で示す方向を見ると、そこにはもう一人の男性を追い払い雛ちゃんを抱き締める速水さんの姿。

つまりは速水さんと青井くんが出歩いていたところ私たちを見かけ、助けてくれたのだとさとる。


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