ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
触レタイ
6.
「わがなはびっぐまん!ちきゅうのへーわをまもるため!きょーもたたかうぞー!」
「出たなビッグマン!今日こそお前を倒してやるー!」
「おりゃーあっ!」
「……」
仕事が休みの、とある日曜日。
我が家のリビングでは、ヒーローごっこをして遊ぶ私と彼方。そしてそれを呆れた顔で見るお兄ちゃん、という光景があった。
「…何してんだ、お前ら」
「何って…ビッグマンごっこ?」
「いや、そもそもビッグマンって何だよ」
「彼方の好きなヒーロー!宇宙人の侵略から地球を守るため戦う、巨大なヒーローなの!」
「へー…」
「びっぐまんぱーんちっ!」
話す間にも、彼方はお兄ちゃんの背中をバシッ!とパンチする。
「いって!何で俺!?」
「みくちゃーがねぇ、ぱぱはよーかいちびっこおとこって!」
「…ほー…妖怪ちびっこ男、ねぇ」
「かっ彼方!内緒って言ったのに!!」
「ん!ないしょー!」
「って内緒の意味わからないんだ!!」
「おい美紅…人の息子に何教えてんだコラーーー!!!」
「ごめんなさーい!!」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ私たちに、キッチンからそれを見守っていた綾奈ちゃんはふふと笑う。
原家の日曜日は、いつもこんな感じだ。