ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛



「あっ、美紅ちゃん。おつかい頼んでもいい?」

「うん、いいよ。何買ってくる?」

「具材があるからカレーにしようと思ったんだけど、ルー買い忘れちゃって」

「わかった。駅前のスーパーまでちゃちゃっと行ってきちゃうね」



綾奈ちゃんからそうおつかいを頼まれた私は、二つ返事で頷くと財布を手に玄関へ向かう。



「みくちゃー、おつかいー?」

「うん。彼方も行く?」

「いくー!」

「じゃあ一緒に行こうか。彼方、上に服着ておいで」

「ん!」



バタバタと上着を取りに行く彼方に、綾奈ちゃんからはまたこぼされる笑い。



「折角の休日もいつも彼方のお世話でごめんね」

「ううん、私も好きで彼方といるんだし」

「そう言って貰えて嬉しい。でもいいの?休日ならこの前の彼とデート行ったりとか…」

「え!!?」



すると穏やかなその声から突拍子もなく発せられた『彼』の名前に、私はぎょっと驚く。


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