ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
「かっ彼方ー!!彼方どこー!?」
彼方が迷子、そのことにサーッと血の気がひくのを感じると、私はルーの箱を棚へ押し戻し大慌てで店内を走りまわる。
彼方っ…!
彼方どこ行っちゃったんだろう、どこかで怪我してたりしないかな、不安で泣いてたり、あまりの可愛さに誘拐とかっ…!
考えれば考えるほど湧き上がる不安に、私まで泣きそうになってしまう。
「彼方ー!彼方ー!?」
そして先ほど自分がいた売り場から大分奥にある飲み物の売り場へと出ると、そこには床にぺたんとお尻をついてどこかを見上げているその小さな姿を見つけた。その光景からして、恐らく誰かにぶつかり転んでしまったのだろう。
怖いお兄さんとかじゃありませんように…!そう祈りながら駆け足で彼方へ近付く。
「彼方っ…」
「……あれ」
「…へ?」
すると、そこで彼方と向かい合うようにしゃがみ込むのは怖いお兄さん…ではなく、なんと青井くんだった。