ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
7.
「おはよう、青井くん」
「ん…あぁ」
翌朝。起きてきた青井くんは寝癖のはねたままの姿で、ボーッとリビングの椅子に座る。
目の前には、トーストに目玉焼きの原家のいつもの朝ごはん。
「どうかした?」
「…いつも朝飯食べないから、新鮮」
「あら、そうなの?朝から重いかしら」
「…いえ、嬉しいです」
確かに青井くん、朝ごはん食べてるイメージはないかも…。
起きて食事が用意されていることもまた少し嬉しいのだろう、小さく笑って「いただきます」と食事を始める彼に、お母さんも嬉しそうに笑う。
「可愛いわねぇ…青井くん、よかったら美紅と結婚してうちの子にならない?」
「なっ!お母さん!いきなり何言ってるの!!」
「だって康之よりよっぽど可愛いもの」
「おい!聞こえてるぞ!!」
「青井くんとの子供ならうちの家系にもようやく大きくなれる可能性が…」
「勝手に話を進めない!!」
け、結婚って…!付き合うどころかただの同僚だってば…!
顔を赤くしてお母さんを叱る私に、話を聞いていないのか、聞いているうえで聞こえないフリをしているのか…隣では青井くんが黙々とトーストをかじっていた。