ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
そして食事と支度を終えた私と青井くんは、仕事に行くべく玄関で靴をはく。
「青井くん、そのまま行くの?」
「ん。携帯と財布あるからそれ以外必要なものないし」
「男の人はラクでいいねぇ」
昨日と同じ私服のまま、とりあえず寝癖を整える彼に笑っていると、不意に背後に感じる気配。
「ん?…あ」
そこには玄関の目の前、絶望的な顔でこちらを見る彼方の姿…。
「…びっぐまん、いっちゃうの…?」
「え!?あ、えと…」
し、失敗した…もう少し早くに出ればよかった…!顔見たらまたぐずっちゃうだろうから、彼方が起きる前に出ちゃおうと思ってたのに!
「やー!いかないでー!」
「そう言われても…」
「か、彼方!ビッグマンはみんなのことも助けに行かなきゃいけないんだよ!」
「そーなの…?」
涙目で問う彼方に、私はそれらしく言うと青井くんに話を合わせるように目で合図をする。