ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
不意にずいっと近付く顔。私を映す落ち着いたその瞳に、よみがえるのは先ほどの笑顔。
やだ、見つめないで。胸が痛い、痛いから。
「やっ…!」
「!」
それを拒むように、私は手にしていたトレーを彼の顔に押し付ける。
ぐいっ!とその顔にトレーがぶつかる感触とともに、床にバラバラと散らばる砂糖とミルクたち。
「…いった…」
「あっ!」
一瞬ですぐ我に返るものの既に遅く、どかしたトレーの向こうには不機嫌そうな顔でこちらを見る青井くん。
「あっ!えと、ごめんっ…痛かったよね!?」
「…別に。そこまで嫌がられるとは思わなかったけど」
「ちっ違うの、そうじゃなくて…」
青井くんを嫌がってるわけじゃない、そう伝えようとするもののこの気持ちをどう伝えればいいのか分からず、言葉は上手く出てこない。