ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
「…何で目、逸らすの?」
「えっ、あ、えと…」
「逃げられてるみたいで、何気に傷付くんだけど」
「え!?そういうわけじゃっ…」
そういうわけじゃない、そう伝えようと顔を上げる。すると、目の前にはいつの間にか近付いていたらしい青井くんの顔があった。
重心が揺らいだゴンドラがギシ、と音を立てる。
「…、…」
その瞳に映る、自分の驚いた顔。だんだんと縮まる距離に、そっと手が握られた。
冷たい手から伝わる、彼の緊張。その気持ちにますますドキドキしてしまう。
触れてほしい。あなたの気持ちが知りたい。その気持ちと共なるように、徐々に近付く顔の距離。
そして唇と唇が触れかけた、その時
「…やっぱり、ダメだ」
止まった距離と、呟かれた小さな声。