ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛



咄嗟に誤魔化したものの余計なことまで言ってしまい、墓穴を掘った、そう気付いた時には既に遅く雛ちゃんはその話に食らいつく。



「何で!?何がどうなってそうなるの!?」

「えーと…いろいろあって」

「青井のことはいいわけ!?」

「そもそも青井くんとは何もないんだってば…」

「何もないって言ったって…」



それ以上の言葉を詰まらせる私に、雛ちゃんははぁ、と溜息をつく。



「…美紅は、絶対青井のこと好きなんだと思ってた。美紅が違うって言うなら違うんだろうけどさ」

「……」

「けど、中途半端に諦めようとしてるなら絶対勿体無いよ」



『中途半端に諦めようとしている』、それはまさしく今の自分の心を言い当てるように。

でも、想ってもどうにもならないよ。だってダメなんだもん。私じゃ、ダメなんだ。青井くんの隣には、いられない。



好き、好きだよ。

同じ室内にいるだけでやっぱり心はドキドキして、届きそうで届かない距離がもどかしい。触れたい、でも触れられない。

また、心はぐるぐると。




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