ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
好みも似ていれば反応も似ているらしい、無意識に現れる兄妹らしさに私は恥ずかしくなってしまう。
照れ隠しにグラスの水を飲むと、彼はフキンで口元を拭ってフォークを置いた。
「でも笑顔が見れてよかった」
「す、すみません…気遣ってもらっちゃって」
「あはは、気遣ってなんてないよ。昨日も言ったでしょ、美紅ちゃんのことが好きだから笑顔が見たいだけ」
『好きだから』、その一言に穏やかだったその場の空気は真面目なものへと変わる。
「あの…えと、」
どう伝えよう。言わなきゃいけないことは決まっているのに、戸惑うばかりで上手く出てこない言葉に、桐谷さんはまたははっと笑う。