ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
「でも伝えなかったら、俺の気持ちを知らないままだったでしょ?だから伝えるだけでもさせてほしかったんだ」
「桐谷さん…」
「あわよくば俺のほうに傾いてくれたらいいのにって、そう思ったけど、美紅ちゃんにそんな余裕なかったみたいだね」
切なげな顔をして、彼は伸ばした手でそっと頬に触れる。
「ごめんなさい…」
応えられない申し訳なさに心は痛むけれど、その痛みすらも彼に感じるものとはまた違うものだから。
揺らぐことなく言い切った私に、その指はそっと頬をなでた。
「原さん」
その瞬間、響いた声とともに触れていた手は払われる。
「…え…?」
聞き慣れたその声に何事かと顔を上げると、そこには息を切らせ駆け込んできたらしい青井くんの姿。