ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛



「青井くん!」



廊下を歩く彼の背中を追いかけていけば、呼んだ名前に青井くんは足を止め振り返った。

見ればその頬は、まだほんのりと赤い。



「……原さん。なに」

「えっ!あ……いや、特に用はなかったんだけど。出て行っちゃったからつい、追いかけて来ちゃった」



へへ、と照れて笑う私に青井くんは不思議そうな顔をしたかと思えばふっと笑う。



「なにそれ、変なの」



いつもは無愛想な彼が見せるその小さな笑顔に私はやっぱり弱く、心はキュンと音をたてた。



「あ……そういえば」

「なに?」



すると青井くんは、思い出したようにポケットの中をごそごそと探る。そして取り出したのは、少しよれた紙が二枚。それは『東京アニマルパーク』と書かれたチケットらしかった。



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