ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛



「でもみんなみくちゃーのこと『みく』ってよぶよー?なんでびっぐまんは、『はらさん』なの?」

「え?えーと、えー…」



なんでと聞かれると…なんでだろう。

そもそも私と青井くんはただの同僚だったから『原さん』呼びで、今でもそのままだから…なんて彼方に説明してもわかるかな。

うーん、と頭を悩ませる私に、隣に座る彼方は足をぶらぶらとさせる。



「ぼくは『はらくん』ってゆわれるより『かなたくん』ってゆわれるほうがうれしーよ。みくちゃーは、『みく』ってゆわれたほーがうれしくないの?」

「えっ…」



そりゃあ、青井くんに名前で呼ばれたらきっと嬉しい、けど…。

付き合ったからっていきなり呼び方変えるとか恥ずかしいし、そもそもそれを青井くんにどう伝えればいいかもわからない。でも、確かにいつまでも『原さん』は他人行儀だとも思うけど…。



「お、大人は複雑なんだよ…」

「ふくざつー?」


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