ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
考えれば考えるほどますます悩んでしまう。すると戻ってきた青井くんは、両手に飲み物を持ち不思議そうにこちらを見た。
「どうかした?」
「ううん、なんでもない…彼方、青井くんにありがとうしてね」
「わぁーい、ジュース!ありがとー!」
青井くんは小さな紙カップを彼方へひとつ、私へひとつ渡すと自分の分を手に彼方の隣へ座った。
「あっ、青井くんお金…」
「いーよ。平気」
「なにからなにまですみません…!」
嬉しそうにジュースを飲む彼方の後ろに何気なく右手をつき、私も飲み物を飲もうと左手でもつカップのストローへ口をつける。すると、突然右手に重なる手の感触。
ん?なんだろう、と手元を見ると、青井くんの大きな手がそっと重ねられていた。
青井くん…?
見れば青井くんは素知らぬ顔で、彼方と同じように前を向いたまま。
ごつごつとしていて大きい、相変わらず少し体温の低い手が彼方の後ろで、見えないようにそっと触れている。
彼方と三人でつなぐ手も嬉しいけど、こうして直接触れる彼の手も、やっぱり嬉しい。
指先からドキドキが伝わって、愛しい。