ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
「みくちゃー、といれぇ」
「トイレ?向こうにあるけど…一緒に行く?」
「俺連れて行く。行こ」
「んー!」
飲み物を飲み終えトイレに行きたがる彼方に、青井くんはまた自ら立ち上がり、彼方と共に数メートル先のトイレへと向かって行く。
青井くん、とことん面倒見いいなぁ…。ジュース買ってきてもらって、トイレも連れて行ってもらって…なにからなにまで甘えっぱなしだ。
離れてしまった手は残念だけれど、右手にはまだその手の感触が残っている。
次はどの動物見ようかな。あ、写真も撮って綾奈ちゃんたちに見せてあげよう。
パンフレットを広げながらふふ、と笑う。ふたりきりで来られなかったのは残念だけど、大好きな彼方がいれば私にとってはもちろんすごく楽しい。
またたまにはこうして三人で出かけたり出来たらいいなぁ。でもそのうち彼方もお兄ちゃんになって一緒に出かけたくなくなるかも…。
それはそれでまた寂しいなぁ、なんてことを考えながら晴れた空を見上げると、目の前を様々な人が通り過ぎていく。