ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛



「みくちゃー!」



するとトイレから戻ってきた彼方は、小さな体でパタパタとこちらめがけて走ってくる。



「こら彼方!走ったら危ない!」



彼方もやはり男の子、やんちゃさが勝り人混みの中でいきなり駆け出してしまうことがある。その度怒っているもののその癖はやはり直らず…走る彼方に私はいつものように叱った。

ところがその瞬間、彼方は歩いていた人に思い切りぶつかってしまう。



「わっ!」

「うぉっ!!」



ドンっと勢いのいい音とともに、地面に尻もちをつく彼方。そんな小さな体に私は慌てて駆け寄った。



「彼方!だから走っちゃダメって言ったでしょ!」

「う〜…」

「ったく、すみません、大丈夫ですか…」

「いって〜…なにしやがるこのクソガキぃ!!」



彼方に寄り添いながらまずぶつかってしまった相手へ謝ろうとする…が、見れば相手はサングラスに金髪といかにもなチンピラ風の男で、怒鳴った声に私も彼方もビクッと肩を震わせる。



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