ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
「…あれ、原さん…おはよ」
「おはよう…っていうか、まだ18時だけど」
「18時…」
「もしかして昨日、徹夜だった?」
「うん、でもって今日もまだ仕事残ってるから…仮眠とってた」
「お、お疲れ様…」
「で…何か用?」
「あっ、うん。営業部の子が営業部まで来て欲しいって。携帯繋がらないからって」
「携帯…」
小さくあくびをしながら彼がズボンのポケットから取り出した、黒色のスマートフォン。それはどのボタンを押しても画面すらつかない。
「あ…電源切れてる」
「えぇ!?気付かなかったの!?」
「うん、普段あんまり使わないし…」
「あ!いたいた、青井!お前財布落としてたぞ!」
「あー…すんません」
「ったく、何度目だよ!しっかりしろー!」
「……」
すると通りがかりの先輩は、部屋の入り口に二つ折りの黒い財布をバシッと置いて去っていった。