ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
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「…で、この時間になったと」
「す、すみません…!!」
そうして時刻は9時を過ぎた頃。ようやく着いた会社で、私は呆れ顔の矢口さんへと頭を下げる。
結局あの後私はかなり先の駅まで降りることが出来ず、ようやく降りたかと思えば戻りの電車もなぜか大混み…。
人波に揉まれに揉まれ、ようやく辿り着いた頃には既にこの時間だった。
「打ち合わせの時間には間に合ったから良かったけど…気をつけろよー?」
「はい、すみません…!」
「…まぁそのボロボロな姿見たら、さすがに俺も叱りづらいけどなぁ」
「……」
髪もぐちゃぐちゃでスカートもヨレヨレ。誰が見ても大変な思いをしたのだろうということが分かるボロボロな格好の私に、矢口さんは同情するように肩をポン、と叩き部屋を出て行く。