ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
4.
触れた手を払い去った彼は、耳まで赤く染まっていたという。
その理由を、知りたい。そしてあわよくば意識してもらえていたらなんて、嬉しい答えを期待している。
なんて、思う…けど
「…ゴホッ、ゴホッ」
泊り込みで仕事をした日の翌日。何とか仕事が落ち着き安心する私の一方で、作業部屋に響くのは彼の小さな咳。
「どうした青井、風邪か?」
「…みたいっすね」
「また薄着で寝てたんだろ。お前風呂上りにボーッとして気づいたら全裸で寝てるのよくあるって言ってたしなぁ」
「一応タオルは巻いてるっす」
「いや、意味ないだろ」
話しながら部屋を出て行く矢口さんに、青井くんはまたゴホゴホと咳をする。