ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
「…ここ」
呟いた彼が足を止め、ガチャガチャと開けた白いドア。その向こうにはワンルームの小さめな部屋が広がる。
「一人暮らし?」
「ん、」
白いカーテンと無機質なパイプベッド、小さなテレビ。それくらいしか物がない、すっきりとした部屋。そんな中を青井くんはフラフラと歩いてベッドへ腰をおろす。
「あ、青井くん。せめてパジャマとかに着替えた方が…」
「あー…うん」
すると脱いだまま適当に置かれていた服を手に、青井くんは唐突に着ていたTシャツを脱ぎ出した。
「なっ!」
突然視界に入る、彼の色白な体。身長の割には細く、締まったその上半身に私は思わず背中を向け、コンロや流し台のあるキッチン側の方を向いた。
いっいきなり着替え出すなんてっ…マイペースすぎる!
「どうかした?」
「い、いえ!あっお粥か何か作っておくよ!台所使ってもいい!?」
「ん、ありがと」
「じゃ、じゃあ作ります!」
恥ずかしさを誤魔化すようにして冷蔵庫を開ける私と、後ろでもぞもぞと着替えているらしい彼はいたって普通に会話を交わす。