ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
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「……、」
目を覚ますと、いつも通りの自分の部屋。いつもと違うのは、風邪をひいた体が引きずる気怠さ。
二十時…。
窓の外が真っ暗なことから、夜なのであろうことは検討がついていたけれど、帰ってきたのが午後十四時頃だからそれなりによく寝たらしい。
重い体を起こし真っ暗な部屋の電気をつけて見れば、室内には誰もおらず自分ひとり。どうやら彼女は帰ったらしい。
…当たり前か。病人の部屋に長居するタイプではないだろうし…そう考えていると、日頃あまり使うことのないガス台に置かれた小さな鍋が目に入る。
その鍋の蓋を開けると、もう冷めてしまっているもののいい匂いのおじやがあった。