ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
公務員のお父さんと、スーパーのレジ打ちのパートをしているお母さん。工場で働くお兄ちゃんに、専業主婦の綾奈ちゃん、そして彼方…。家族揃うことの多い我が家は、基本的にいつも朝と夜はみんなでごはんを食べる。
これは私が小さな頃から、綾奈ちゃんがお嫁さんに来て彼方が生まれた今でも変わらない。お父さんいわく、家族で顔を合わせることが大事なのだという。
「おい彼方、お前の親は美紅じゃねーぞ!なんでちゃっかり美紅の隣に座ってんだ!」
「みくちゃーのねぇ、となりすきー!」
「私も彼方の隣好きー!」
「綾奈いいのか!?いつか本当に彼方取られるぞ!?」
「けど美紅ちゃんが食べさせる方がちゃんとごはん食べるんだよねぇ」
「その方が綾奈ちゃんもゆっくりごはん食べられるじゃないの」
朝から騒ぐお兄ちゃんを横目に、トーストをかじる彼方の頬についた食べカスをそっと拭う。そんなこちらをお父さんは切なそうな目でじっと見た。