ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
「美紅…お前もそろそろ子供見せてもいいんだぞ」
「うっ!」
「あら、その前に彼氏よねぇ。もう何年も男っ気ないんだから」
「し、仕方ないじゃん…仕事が忙しいんだから」
ボヤくような言い方をする両親に口を尖らせ言うと、綾奈ちゃんは首を傾げる。
「あれ、美紅ちゃんって何年も彼氏いないんだっけ?」
「うん、就職してからさっぱり…」
「出会いもないとは寂しい20代だなー…あ、なら匠は?」
「桐谷さん?」
「仕事で会ってるんだろ?あいつ金持ってるぞー」
「お兄ちゃんゲスい!!」
「ほら美紅、さっさと食べないと遅刻するわよ」
「あっ!まずい!」
お母さんの一言に、トーストを急いで口に押し込んだ。