愛を知らないあなたに
言い伝え
昔々ある山に、1人の鬼がいました。
鬼はよく山のふもとに下りてきて、村人たちを襲いました。
ある時は痛めつけ。
ある時は家を荒らし。
またある時は畑も荒らしました。
村人は、怖れながらも泣き泣き訴えました。
「やめてくださいませ、鬼様。
このままでは、わたくしどもは安心して生活できません・・・。」
その言葉を聞いた鬼は、それならばと言いました。
「ならば、俺はお前達を襲うのをやめよう。
ただし、百年に一度、1人の生贄を俺に捧げろ。
生贄は、俺が食うための人間だ。
そうだな・・・できれば若い奴がいい。」
困りきっていた村人達は、仕方なく――
「・・・・・・分かりました。」
―――そう、答えたのでした。
そうして、それから百年に一度。
若い男や女が一人で、山奥へと登っていきました。
けれどやはり。
誰一人として、帰ってはきませんでした・・・・・―――――。
鬼はよく山のふもとに下りてきて、村人たちを襲いました。
ある時は痛めつけ。
ある時は家を荒らし。
またある時は畑も荒らしました。
村人は、怖れながらも泣き泣き訴えました。
「やめてくださいませ、鬼様。
このままでは、わたくしどもは安心して生活できません・・・。」
その言葉を聞いた鬼は、それならばと言いました。
「ならば、俺はお前達を襲うのをやめよう。
ただし、百年に一度、1人の生贄を俺に捧げろ。
生贄は、俺が食うための人間だ。
そうだな・・・できれば若い奴がいい。」
困りきっていた村人達は、仕方なく――
「・・・・・・分かりました。」
―――そう、答えたのでした。
そうして、それから百年に一度。
若い男や女が一人で、山奥へと登っていきました。
けれどやはり。
誰一人として、帰ってはきませんでした・・・・・―――――。
< 1 / 377 >