愛を知らないあなたに
河童のりょっちゃんは、礼儀正しく自己紹介してくれた。


あたしはりょっちゃんの礼儀正しさにつられるように、頭を下げた。



「あ、こちらこそ初めまして!

あたし、人間の凜です。気軽に呼び捨てにしてください!

あと、敬語いらないです!!!」


「分かった、ありがとう。

あと、ボクにも敬語いらないよ。よろしくねー。」


「うん!よろしく。」



あたしとりょっちゃんは、自然と微笑みあっていた。


なんだろう・・・りょっちゃん癒される・・・・・・。

ほんわかした気分になっていると。




「ところで。」


りょっちゃんがやけにキッパリした口調で話を変えた。



「リンって生贄なんだよね?

なんで琥珀に食べられてないの?」


コテンと首をかしげ、あたしに聞いてきた。

純粋な疑問だ・・・と、なんとなく感じた。



「いや・・・それはあたしにもよく分からないんだよね。」


あたしも首をかしげつつ答えた。



そう。

まったくもって分からない。


何で琥珀様はあたしを食べないんだろう?





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