愛を知らないあなたに
「ねぇ、リン。


リンはわらわが言った“好き”を・・・

どんな“好き”だと思った?」



ど、んな・・・“好き”?




「好きにもいろいろあるよ。


知り合いとして好き、とか。

鬼として好き、とか。

自分を食うべき者として好き、とか。

ともだちとして好き、とか。

恋してるっていう好き、とか。




ねぇ、リン。


リンは、わらわが言った“好き”って言葉を・・・

どの“好き”だと思った?


真っ先にどの“好き”だと思って、

そんなにこんわくしてるの?」






心臓が、ドクッと一瞬、止まったような気がした。








あたしが―――




あたしが真っ先に思った“好き”は――――







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