愛を知らないあなたに
「・・・・・・っ・・・」



考えてみれば。


もの凄く、おかしい。








琥珀様は鬼で、あたしは生贄。



食う側と、食われる側。






“好き”と言われて普通ならば。



鬼として、だとか。

食う側として、だとか。


思うはずなのに。




実際あたしは・・・


琥珀様を、好いていたのに。

鬼として、親しみを感じていたのに。




なのにあたしが真っ先に思い浮かんだ“好き”は・・・・・・








「――ねぇ、リン。


それは、リンの本心ではないの?」





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