愛を知らないあなたに
威圧感のある、あまりに冷たい声。


確かに鬼だ。

この冷たい声も、冷たい視線も、人間離れしている。



なめる気も起きない。





「・・・・・・はい、分かりました、鬼様・・・。」


俯いて言った。

鬼様の視線から逃れるように、視線を地面にやる。



「分かればいい。

それで、お前は何をしようとしていた?」


冷たい声。

なんだか、冷や汗が額を伝った。



「す、すみません・・・。

勝手に・・・中を見ようとしておりました・・・・・・・。」


慌てて頭を下げた。

だって、さっき『何をしている』って、冷たい声で聞かれたし・・・。



「そうか。

やはりお前は面白いな。」


「・・・・・・・・・へ?」



あれ、怒られない?

どういうこと?


『やはりお前は面白いな』?



うんん??




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