愛を知らないあなたに
「ほーんと、琥珀も琥珀だよね~。」



どこか面白そうに呟き、生贄の袖を引っ張った。




「いこ!リン!

リンは強いんでしょ?こんくらい、痛くもかゆくもないんでしょ?」



タマの言葉に、生贄はハッとしたように目を見開き。


唇を真一文字に結んだ。




「うん!あたし、強いし前向きだから!」



力強く言い、生贄は俺に向かって笑いかけた。




「琥珀様のご好意に甘えさせていただきます。

行きましょう!村へ。」



俺は、なんだかよく分からなかったが、コクリと頷いた。





















◇◇◇








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