愛を知らないあなたに
『2人が愛し合っているなんて、誰も信じようとしなかった。


だから、凜のお母さんは更に蔑まされた。



それでも。


凜のお母さんもお父さんも、村の人達なんかには負けなかった。



村長とかの意見を無視して、無理矢理婚姻をして。



村長や村人の反対とかを押し切って・・・というより、振り切って。


2人で凜のお母さんの家に住んだ。



凜のお母さんのお母さんとお父さんは、もうこの世にはいなかった。


だから、本当に新婚でラブラブだったわよ。



見てるこっちが赤面モノだったわ。本当。





それで・・・凜、あなたが生まれたの。



でもね?


凜を産む時に、手助けをしてくれる産婆さんがいなかったの。

そう、誰も助けようとしなかったの。


あ、勿論わたしは違うわよ。

手助けしたわ。


・・・でも、わたし、出産の経験も知識もなかったから・・・・・・

しかも、難産だったみたいで・・・



凜を産んで、凜を一目見た次の瞬間。


力尽きたように、凜のお母さんは死んでしまったの。』




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