愛を知らないあなたに
なんで・・・・・・生贄と鬼が一緒に寝るの!?




「布団が1つしかない。我慢しろ。」


またあたしの心を読んだかのように鬼は言う。



が、我慢しろって・・・


鬼様の綺麗な顔を見て、心拍数が上がるのを感じた。



・・・聞いてない。

鬼がこんなに美しい男の人のようだなんて・・・


聞いてないっ・・・・・・。




「あ、あたしは・・・床で寝ます・・・・・・。」


「そういうわけにはいかない。」



グイッ


鬼様の強い力で、あたしは強制的に布団の中へ。




「風邪でもひかれたら、面倒だ。

鬼の俺と寝るのは嫌だろうが、生贄なのだから、従え。」


何の感情も含まない声。

絶対零度の声は、あたしに有無を言わせない力を持っていた。



けれど。

鬼様は、勘違いをしている。



「・・・・・・嫌では、ないです。」


ぽつりと、呟いた。




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