愛を知らないあなたに
どうしたら――



“生贄”としてではなく、1人の異性として見てくれますか?




どうしたら――



「“凜”って、名前を呼んでくれますか・・・?」






誰もいない殺風景な部屋。

かすかに聞こえる琥珀様の寝息。


その中で。

あたしは聞かれることなどないのに・・・いや、聞かれないからこそ。


たったひとり、言葉を吐き出すように囁いた。






「琥珀様・・・・・・好き、です・・・・・・・・・」




もう、後戻りなんかできないほどに。


好きなんです。






「琥珀様・・・ずっと、一緒にいたい、です・・・・・・。」



溢れる“好き”。


そして、増えていくのは“欲”。




―――――あぁ、どうしよう・・・。




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