愛を知らないあなたに
「にしてもリンは本当、琥珀大好きっ子だよねぇ。」


「・・・・・・・・・・・・。」



再びご飯を食べ始めてから聞こえたタマの言葉には答えずに、もぐもぐと口を動かす。




「好きって言ったのー?」


「・・・・・・・・・・・・言ってない。」



さらりと紡がれた質問に、あたしはむっつりと答えた。


だって、簡単そうにタマは言うけど、そう簡単にできないから。




「えー!言ってないのー?」


「勇気、いるんだよ。」



目を見開くタマに、あたしは言い聞かせるように言葉を返す。


タマは「ふーん」といかにも不服そうに言葉を濁した後、じとりとあたしを見つめた。



「でも、言うんだよね?いつかきっと言うんだよね?

言わないなんてこと、ないよね?そうだよね?リン。」


「・・・・・・・・・・・う、ん・・・。」


「なにそのあいまいなへんじ!!!」


「・・・だって・・・・・・。」


「だってじゃなーい!」



唇を尖らせてもにょもにょと口ごもるあたしに、タマの渇がとんだ。


タマはすっくと立ち上がり、ずびしぃっとあたしを指差した。




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