愛を知らないあなたに
理解不能
◇琥珀side◇
――全く持って意味が分からない。
さんさんと暖かな日差しが近くの木に当たり、緑の葉が黄緑のように見える。
川はキラキラと輝き、穏やかに流れている。
昼飯時。
俺は、生贄とタマと共にリョクの住処(スミカ)である、神社の結界の外の、山の麓近くの川に来ていた。
なぜなら、タマが『りょっちゃんとごはんたべるー!』と言い出したからだ。
タマと仲が良さそうな生贄が共に行くのは分かるが、なぜ俺まで・・・。
いまいちよく分からぬが、生贄が一歩も譲らなかったのだ。
生贄は・・・今朝から、なんだかおかしい。
よく分からぬことを言う。
俺が好きだとか、覚悟しとけだとか。
今朝、何やら俺にそう啖呵をきって、その後寝たのだ。