愛を知らないあなたに
ふつふつと不安が胸にこみ上げてきたとき。




―――ぎゅっ








「・・・・・・・・・えっ・・・・・・」



あたしは、温もりに包まれた。







そして数秒後、鬼様に抱きしめられたのだと悟る。


って、えぇ!?



「ちょ・・・え、まっ・・・・・・は!?」


「ちょえまは?なんだそれは。」


「なんかの名前ではありません!

あたしの困惑の叫びです!」


「そうか。」



え、いや、そうか・・・って。


無視なの?あたしの困惑、無視なの?



というか、心拍数がちょっとどころじゃなく速い・・・。





「・・・お前が悪いんだ。」


鬼様はポツリと呟いた。




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