愛を知らないあなたに
往生際が、悪すぎるよ?

引き際くらい、わきまえなよ。


あたしは、生贄。

想うことさえ、おこがましいことだったじゃない。



・・・・・・そう、ちゃんと分かっているのに・・・

どうして涙は止まってくれないんだろうね?





「リン」


タマが、あたしの顔を覗きこんだ。

澄んだ黒い瞳が、真っ直ぐにあたしを見る。


息を呑むほどに綺麗な瞳に、引き込まれそうになる。





「自分に、正直にね。」


タマはふわりと微笑んで、続けた。





「だいじょーぶ。

あのふたりは、リンが思っているようなかんけーじゃないから。」


「・・・・・・へっ?」


思わず変な声を出したあたしに、タマはふふふと面白そうに笑う。


「へんなこえー」


「いや、だって・・・・・・へ?」


「あはは。リンおかしい~」


いやいやタマさん。

笑ってないで早くご説明を!




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