愛を知らないあなたに
あたしの必死さが伝わったのか、タマが笑うのをやめた。


それでも、深刻な顔なんてしないで、むしろキョトンとしたような顔をするタマ。




「そんな必死になるー?

とゆーかさぁ。

よく考えればわかるんじゃないのかなぁ。」


「・・・・・・・・・どういうこと?」


首を傾げるあたしに、タマはさらりと言った。




「だって琥珀は愛なんて知らないんだよ?

というかそもそも、感情さえなかったんだよ?

それで恋人とか、ありえないよー。」







・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!




「あ、た、確かに!そうだった!」


思わずというように大声を出したあたし。


忘れてた!

琥珀様は愛を知らなくて・・・

だからあたしは、愛を教えてやるんだと思ってたんだ!


それで恋人がいるなんて、確かにおかしい!




そこまで考え付いたところで、あたしはへにょりと鳥居の柱にもたれかかった。


タマが心配そうにあたしの顔を見上げる。





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