愛を知らないあなたに
カッと頭に血が上った。



大切だと思えるモノの死が・・・そんなに軽いはずないでしょ!?





『おいで、凜。』



嫌と言うほど覚えてる。わかってる。知っている。


大切なモノの死が、どれほど心に、ぽっかりと大きな穴をあけるのか。



私にとってその穴は、埋まることなんてないんだ。





怒りにぶるぶる震え、言葉にできないほどの殺気でタマを睨むも、タマは態度を変えない。



「リン、どうしたの?」


「・・・・・・・・・」


『どうしたの?』は、こっちのセリフ。

タマ、どうしたの?なんでそんな薄情なの?

さっき、薺さんのことを自分のことのように話してくれたじゃない。


なのに、なんで?




「りょっちゃん、まだまだヘーキだよ?」



タマが首を傾げてあたしを見て、とつぜん「あー!」と叫んだ。


何?と、じろりと目で聞けば、タマが慌てたように口を開く。



「ごめんリン!リンはこういうりょっちゃん見るの初めてだって忘れてた!」

あわあわと手を合わせるタマ。




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