愛を知らないあなたに
タマが離れた分、大またでずんっと距離を縮めて。



腕を伸ばして、タマを。






力いっぱい、抱きしめた。








「り・・・ん?」


「馬鹿!怖いよ、確かに怖いけどさ。

あたしはタマが好きなんだよ!」




タマの頭を、優しくなでる。


怖いけど、殺せるとか神様だとか死が怖くないとか――

全部全部、んなもん知ったこっちゃない!って投げ捨てられる。




それくらい、あたしは。




「タマが大好き。

だってタマ、殺せるだとか言いながら優しいじゃん。

ついさっき、あたしのこと慰めてくれたじゃん。

あたしのこと、全部知って、強いねって褒めてくれたじゃん!」



だから。





「離れてかないで・・・。」


タマが離れちゃったら、あたしは、辛い。




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