愛を知らないあなたに
もう一度、力を込めてタマを抱きしめる。



「・・・・・・り・・・ん・・・」



タマの小さい手が、あたしの着物の帯を、きゅぅっと掴んだ。






「わらわも、リンのこと、好き。」


タマが顔をあたしの身体に押し付けた。








「だい、すきぃっ・・・!!!」





震えた声と、着物越しに感じた涙の気配。







「わらわだって、はなれたくないっ・・・


本当は誰とも離れたくなかった!

ずっとずぅっと一緒にいたかった!


なのにみんないなくなっちゃうんだ。

タマをおいてみんな、死んじゃう。


タマがだれかを不幸にしたら、みんなとおざかってく。


誰かと一緒にいても。

誰かと笑っていても。


いつかその“誰か”は、必ずタマから離れてく・・・。」






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