愛を知らないあなたに
口をパクパクと動かした後、俺の視線から逃げるように、ふいっと顔を横にした。



・・・ん?


「生贄、耳が赤いぞ?熱でもあるのか?」


「う、うわああああああ!!???」



バッとすぐさま生贄が両耳を両手で隠し、俺から後ずさる。


真正面から見た、生贄の顔は。




「顔も、真っ赤だが・・・大丈夫か?」


「だ、だだだだだ大丈夫です!!!」


「かなりかんでいるが・・・」


「お、お気になさらず!!!」


生贄は両耳を両手で隠しながら、タマの後ろに隠れる。




タマは俺を、なぜかかなり困ったような目で見ていた。



「琥珀ぅ・・・。」


「なんだ?」


「絶対、なんでよかったって思ったか、わかってないよね・・・?」


「あぁ。なぜなのだろうな。」


「うん・・・どうしよっかリン。」


「あたしが一番知りたいわ!」




・・・・・・・・・?理由は、そんなに重要なことなのだろうか?




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