愛を知らないあなたに
「尻尾が九つぅーーーー!!!???」




叫んだ。


いや、叫ばずにいられようか。



あまりのことに腰を抜かしたあたしは、床にへたり込んだ。





狐・・・尻尾が九つの狐・・・・・・。


絶対、“ただの”狐じゃない。






「どうした、生贄。」



むむむむ・・・と、狐を見つめていれば、鬼様が来た。


そして、狐とあたしを見て、納得したように頷いた。




「ジンさん、来てたのですか。」


《あぁ。どんな生贄なのか気になってな。》





喋ったーーーーーーー!!!!!!


狐さんが、落ち着きのある老齢の声を出した。



声から察するに、この狐さんはオスみたいだ。




って、暢気に性別判断してる場合か!?


とか脳内で1人あわあわしていると。




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