愛を知らないあなたに
あたし的にはかなりの歴史的瞬間だったんだけどな・・・。


やっぱり妖怪とは価値観が違うのか・・・いや、ただ性格の問題かも。


薺さんはゆるくはなさそうだったし、琥珀様もゆるい性格ではないはず。

ただ、この場にはダントツでゆるい２匹がいるからそう見えるだけ。



それにあたし以外は琥珀様とけっこう長い年月過ごしてるみたいだし。

琥珀様の突拍子のなさに慣れてるのかも。


・・・大概、タマもりょっちゃんも脈絡ないしね。





「はぁ・・・。結局、あわあわ動揺してるのはあたしだけ、か。」


「動揺？」

「えーっリンったらかわいいじゃなぁ～い」

「ボクもそう思うワヨ～」


「・・・・・・スルーの方向でお願いします。」



あぁ、なんだろうこのもの凄い独り相撲感。

切なくなってくる。





「あの、話戻すけど、どうしてりょっちゃん呪いなんて・・・」


「ほえ？」


「あからさまに目を泳がすな。」


「てへっ？」


可愛らしく舌を出すタマ。

可愛い・・・可愛いんだけどさ。



「教えてよ。あたしは、知りたい。」





< 280 / 377 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop