愛を知らないあなたに
薺さんの声は、震えていて、ゆれていて、か細くかすれていて。
だけど。
悲鳴だと、思った。
これは、薺さんの、これでもかっていうほどの、悲鳴だ。
「・・・どうしてリョクに呪いが?
あたしのせいさ。あたしのせい。
好いた人間の男に、妖怪だってバレて、術者に呪いかけられて。
琥珀たちが助けにきてくれて・・・そのとき。
術者にリョクが呪いをかけられた。
あたしの、せい。あたしの、あたしの、あたしの・・・ふっ、はは、ははは・・・はは、は、は・・・」
乾いた笑い声が、響く。
呆然とした。
何、それ。
なんなんだよ、それ。
――あっりえない。
「で、どうしたんですか?」
「はは・・・え?」
「だから、どうしたんですか?」
真っ直ぐに薺さんの目を見て問いかければ、薺さんは意味が分からないというように首を傾げる。
だけど。
悲鳴だと、思った。
これは、薺さんの、これでもかっていうほどの、悲鳴だ。
「・・・どうしてリョクに呪いが?
あたしのせいさ。あたしのせい。
好いた人間の男に、妖怪だってバレて、術者に呪いかけられて。
琥珀たちが助けにきてくれて・・・そのとき。
術者にリョクが呪いをかけられた。
あたしの、せい。あたしの、あたしの、あたしの・・・ふっ、はは、ははは・・・はは、は、は・・・」
乾いた笑い声が、響く。
呆然とした。
何、それ。
なんなんだよ、それ。
――あっりえない。
「で、どうしたんですか?」
「はは・・・え?」
「だから、どうしたんですか?」
真っ直ぐに薺さんの目を見て問いかければ、薺さんは意味が分からないというように首を傾げる。