愛を知らないあなたに
なんでここでタマの声・・・って、タマ?!



「何してんの!?」


思わず叫んだ。



だってタマがなんか、なんか・・・変な空間作ってるんだもん!!!



「へ?妖力集めてるんだよ~」


「なんで!?」


「リンが行くって言ったから。」


「え。」



にっこり笑ったタマに、あたしは目を丸くした。

どういうこと・・・?




タマはするすると不可思議な緑色の光を纏う腕を動かしている。

何かを撫でるように。



・・・この行為が妖力を集めているものだとして・・・あたしが行くと言ったこととの関係って?


タマが『りょーかいのすけー』って言ったってことは、タマがあたしに居場所を教えてくれるということで・・・



つまり、妖力を使って教えてくれるというこ――「はいおっけーい♪行くよリン!」


「へ?・・・・・うわぁっ!?」




考えの途中でびゅうっと強い風に背中を押された。


その勢いのまま、タマが作った緑色の不可思議な空間に吸い込まれる――

って、うえええええ!!!??




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