愛を知らないあなたに
「なんでそんなおもしれぇこと、先に言わねぇんだよ!!!」


・・・・・・・・おもしれぇ・・・ですか。

あたしは思わずぽかんと口を開けてしまった。




「だって聞かれなかったしぃ?」


「そんなん普通聞かねぇよ!万年ボケ妖怪!

そういうおもしれぇことなら、力貸すに決まってんじゃねぇかっ!」


「あ、ホント?よかったぁ。」



なぜか鼻息荒く意気込む男と、嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ねるタマ。


・・・・・・やっぱ、奇妙。



ていうか。


「あの、今更ですけど・・・どちら様で?」



片手を挙げて聞けば、男は、さらりと答えた。


「弥助(ヤスケ)だ。タマとは5年前くらいに会って、それからの付き合いだ。

よっしく。」


「あ、こちらこそよろしくお願いします。あたしは凜って言います。」



慌てて頭を下げる。

でもこの人一体、何者なんだろう?


心の中で首を傾げた時。




「うしっ!じゃあしょうがねぇ。アレ使うか。」


弥助さんはカウンターの奥にある厨房らしきところに行ってしまった。


・・・・・・アレって、なんだろう?




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