愛を知らないあなたに
なんて思っていると、バサッとつなぎと白いTシャツが投げ渡された。



「凜、それが一番ちっこいやつだ。

それでも少しだぶつくだろうが・・・我慢しろな。」


「は、はい。」


見てみれば確かに、少し、大きい。



「これが一番小さいって、マルクの人達は皆大きいですね。」


「まぁ、あいつら全員ガタイいい種族だからな。

それより、さっさと着ろよー。奥の厨房使っていーから。」


「ありがとうございます!」



あたしは頷き、奥の厨房へ向かう。


手間取りながらも着替えて、袖と裾を折った。



うわ、新鮮!

こんなの一度も着たことなかったから・・・。


確か、洋服っていうんだよね。




「凜。」


「わ!こ、琥珀様?」



突然背後――厨房のドアから声がして振り向けば、琥珀様がいた。




「あ、すみません!着替えるの遅かったから見に来てくれたんですよね?

あたし、こういうの着るの初めてだから少し手間取っちゃって・・・」


「いや、そういうわけじゃない。

与助が渡すのを忘れていたものがあったから渡しに来た。」




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