愛を知らないあなたに
「なんだかんだ言っても弥助さんが勝つんだと思ってた・・・。」


「ふっふっふっ!リン、わらわをなめるといたいめ見るよ?」


「うん。気をつけることにする。」



あたしは厳粛に頷いた・・・と、そういえば。



「りょっちゃんは?」


「んー・・・テヘ?」



なんかもの凄く嫌な予感がするんだけど。




あたしは即座にドアを開け、りょっちゃんの姿を確認――って、うわっ!



「りょっちゃんーーー!!???」




ガラスの破片やら木の破片やらが散乱している店内。


りょっちゃんは壁に背中をつけてへたりこんでいた。





「大丈夫?」


「きゅうりぃ・・・。」


「・・・まだそれなのか。」


どんだけ好きなの。



「はぁ・・・これからお城に行くのに、どうすれば・・・。」


「それはだいじょーぶだよ~」


思わずもれたぼやきに、タマは実にのんきな声で答えた。





< 311 / 377 >

この作品をシェア

pagetop